tsumuriの旅行記【第二回:一度は訪れたい!モネの庭の見どころ】

高知県北川村にある「モネの庭 マルモッタン」

フランスのジヴェルニーにあるクロード・モネの庭を再現した場所で、国内外から多くの人が訪れる人気スポットです。

駐車場から滝が見えた時に無性にわくわくしました。

今回は、僕が実際に歩いた景色――「水の庭」「風の丘」についてご紹介します。


1.【水の庭】── 絵画がそのまま現実になった場所


まず最初に向かったのは「水の庭」。

ここは、モネがあの名作『睡蓮』を描き続けた庭を再現したエリアです。

池の周りを取り囲む柳の木々が水面に影を落とし、風が吹くたびにサワサワと優しい音を立てています。

池のほとりに立つと美しい世界が広がっていました。

水面に浮かぶ、無数の睡蓮たち。

白、ピンク、黄色……そして、私が一番見たかった「青い睡蓮」が、そこにありました。

モネは晩年、夢にまで見たと言われる青い睡蓮。

実はフランスの気候では青い睡蓮を咲かせることが難しく、モネ自身はついにその夢を叶えることができなかったそうです。

でもここ、温暖な高知の北川村では、その夢が現実のものとなっているんです。

私は午前中に訪れたので、花たちはしっかりと開いて、その美しい姿を見せてくれていました。

透き通るような青紫色。

その色は、空の青とも海の青とも違う、どこか神秘的で、吸い込まれそうな色をしていました。

「これが、モネが見たかった景色なんだな……」

そう思うと、なんだか胸がいっぱいになってしまいました。

水面(みなも)に映り込む空と雲、そして水草のゆらめき。 有名な緑色の太鼓橋がかかる風景は、まさに教科書や美術館で見た『睡蓮』そのもの。

でも、絵画と違うのは、そこに「光」と「風」と「温度」があることです。(本当に暑かった。)

9月の強い日差しが水面に反射してキラキラと輝き、それが睡蓮の葉の緑をより一層濃く見せています。

じっと水面を見つめていると、暑さを忘れるほどの清涼感に包まれました。

とはいえ、現実は気温30度越え。

夢中になって見ていると汗が流れ落ちてきます。

「綺麗だけど、暑い!」 そんな独り言をこぼしながら、こまめに水分補給をしました。

この時期に行かれる方は、本当に飲み物を多めに持っていってくださいね。自販機やカフェもありますが、散策中は手元に水筒があると安心です。

フタが取れて丸洗いできる水筒

太鼓橋の上から池を見下ろすと、魚がゆったりと泳いでいるのが見えました。

静止しているかのように見える睡蓮と、動き続ける魚やトンボやアメンボたち。 「静」と「動」が共存するこの空間は、何時間でも眺めていられそうでした。

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2.【ボルディゲラの庭】 ── 地中海の風を感じて

次に訪れたのは、「ボルディゲラの庭」です。 ここは、モネが43歳の時に旅した地中海沿岸の町・ボルディゲラでの体験をもとに作られた庭だそうです。

「水の庭」から少し歩くと、景色は一変します。

さっきまでの「フランスの片田舎」のような雰囲気から、突然、乾燥した明るい「地中海」の世界へ。

ここには、オリーブやヤシ、リュウゼツランといった、南国の植物たちが力強く生い茂っています。

このエリアは少し起伏があって、散策路を登っていく形になります。

正直、9月の暑さの中で坂道を登るのは少しハードでした(笑)。

背中を流れる汗を拭いながら、「よいしょ」と声をかけて登っていきます。

でも、登りきった先にある展望台【風の丘】からの景色を見た瞬間、疲れなんて吹き飛びました。

眼下に広がる庭の緑、そしてその向こうに見える太平洋の青い海! 高知の海と、地中海をイメージした庭がリンクして、本当に海外に来たような開放感がありました。

モネはボルディゲラで、その強烈な光と色彩に圧倒され、多くの作品を残したそうです。

高知の日差しの強さは、ある意味で地中海のそれと似ているのかもしれません。 岩肌にへばりつくように生える植物たちの生命力。

「水の庭」の静寂とも違う、荒々しくも明るいエネルギーに満ちた場所でした。


3.【花の庭】 ── 画家のパレットの上を歩く

最後に向かったのは「花の庭」です。

ここは、モネが愛したジヴェルニーの庭をモデルに、四季折々の花々が咲く場所。

そこにはまだまだ夏の暑さの残る中で、いきいきとした草花が風に揺れていました。

9月の庭は、夏の花と秋の花が入り混じる、とても贅沢な季節でした。

鮮やかな赤、元気な黄色、そして涼しげな紫。それぞれの花が「私を見て!」と言わんばかりに、太陽に向かって背伸びをしています。

計算され尽くした色彩の配置には本当に驚かされます。

ただ無造作に植えられているように見えて、実は高さや色の組み合わせが緻密に計算されているんですよね。

例えば、背の高いダリアが風に揺れている足元で、小さな花たちが絨毯のように広がっていたり。補色関係にある色が隣り合っていて、お互いの鮮やかさを引き立て合っていたり。

「モネは庭造りを『絵を描くこと』と同じように捉えていた」という話を聞いたことがありますが、実際に歩いてみるとその意味が痛いほど分かります。

大きなジョロウグモが!

9月の日差しは強烈でしたが、アーチ状に茂る緑のトンネルに入ると、ふっと風が通り抜けて涼しさを感じました。

ブンブンと羽音を立てて飛び回るミツバチや、ひらひらと舞う蝶々たち。

彼らもまた、この庭の一部として景色に溶け込んでいます。

暑さで少しクラクラしそうになりながらも、次々と現れる新しい色の組み合わせに目を奪われ、カメラのシャッターを切る手が止まりませんでした。

カフェでのひとときと、旅の終わりに

一通り庭を回った後は、園内にある「カフェ・モネの家」で休憩しました。

木漏れ日が差し込むテラス席も素敵でしたが、さすがに暑かったので、冷房の効いた店内で涼むことに。

地元の食材を使ったお料理も魅力的でしたが、私は乾いた喉を潤すために、高知特産の柚子を使った冷たいドリンクを注文しました。

キリッとした酸味と冷たさが、火照った体に染み渡ります。

窓の外に広がる庭の緑を眺めながら、ぼーっと過ごす贅沢な時間。 「ああ、来てよかったなぁ」としみじみ感じました。

今回、9月の前半という、残暑厳しい時期に訪れましたが、結果として大正解でした。

確かに暑さは厳しく、タオルと飲み物は手放せませんでしたが、その分、光は強く、植物たちの緑は濃く、生命力に溢れていました。

そして何より、午前中に訪れたおかげで、最高の状態の青い睡蓮に出会えたことは、私にとって忘れられない思い出になりました。

モネの庭は、単なる植物園ではありません。

そこには、クロード・モネという一人の画家が見つめ続けた「光」と「色」、そして自然への畏敬の念が息づいています。

そして、それを遠く離れた日本の地で守り、育て続けている庭師さんたちの情熱も感じることができました。

季節が変われば、また全く違う表情を見せてくれるはずです。

今度は、バラの咲く季節や、冬のイルミネーションの時期にも訪れてみたいなと思っています。

皆さんも、もし高知に行かれる際は、ぜひ北川村まで足を伸ばしてみてください。

絵画の中で深呼吸するような、特別な体験が待っていますよ。


これから行かれる方へのアドバイス

  • 時間帯: 睡蓮(特に青い睡蓮)を見たいなら、絶対に午前中がおすすめです。午後には花が閉じてしまいます。
  • 服装・持ち物: 9月でもかなり暑いです。歩きやすい靴はもちろん、帽子、日傘、そして十分な水分補給の準備を忘れずに。
  • アクセス: 高知市内からは少し距離があります。ドライブコースとして計画を立てるのがおすすめです。

今度はどこへ行こうかな♪

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