こんにちわ。tsumuriです。
気になっていた、福山雅治さん主演の法廷サスペンス映画「三度目の殺人」を見ました。
結論から言うと、「話が難しい」です。笑
それゆえに最初は何が言いたいんだろう?と思ったのですが、考えながらこの記事を書いていく中で、少しづつ見えてくるものもありました。
明らかにされてない部分が多々あるので考察が多々入りますが、楽しんで頂ければ幸いです。
三度目の殺人とは
- 第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞
- 主演、福山雅治
- 是枝監督オリジナル脚本
- 法廷ミステリー
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目次
三度目の殺人とは
2017年公開の日本映画。
是枝監督自身が書き下ろしたオリジナル脚本に加え、主演福山雅治を始め、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎などの、豪華俳優陣で送る法廷サスペンス。
あらすじ
殺人の前科がある三隅(役所広司)が、解雇された工場の社長を殺害し火をつけた。
起訴された三隅は犯行を認め、死刑はほぼ確定。
事件を担当にすることになった重盛(福山雅治)は、なんとか無期懲役にしようと奔走し始めるが、ずっとぬぐい切れない違和感を感じていた。
三隅の供述が二転三転し、話が要領を得ないまま裁判へと進んでいく。
重盛は真実を知りたいと思うようになり三隅の過去や事件関係者への再調査を進めていく。その中で、被害者の娘の咲江(広瀬すず)が事件に深く関わっていることが判明する。
「三度目の殺人」気になる点
「3」
本作では「3」に関わる事柄がいくつか出てきます。
- 三度目の殺人
- 主要人物の3人
- 3人の弁護士
- 弁護士、検事、裁判官の3つ
- 三隅
その中でも、三度目の殺人が何を意味するのか。
三隅の性質
三隅は特殊能力と言っても差し支えないような不思議な力を見せる時がありました。
ガラス越しに手を添えただけで、重盛の考えていることを読みとったような描写があったのです。
これは、人の気持ちを読むと言うよりは同調する(シンクロ)。に近いのかもしれません。
自分の気持ちよりも他人の気持ちを尊重してしまう。
こう考えれば、人を殺してしまった理由や、二転三転する供述、土壇場でひっくり返る供述にも説明がつきます。
重盛の変化
真実よりも勝つことを重視している敏腕弁護士。
法廷で真実を追求することに意味は無いと思いつつも、翻弄されている三隅の真実が知りたくなり、独自に再調査を進めていく。
娘を持つ父として、咲江を守りたいと思うようになる。
十字架
焼死の後、そして、鳥のお墓の石の並びが十字になっており、重盛はそのことに対し何らかの違和感を感じていました。
十字架を背負うつもりでそれらを用意したんじゃないかな?とも考えます。それ考えるとラストシーンの交差点にも意味が出てきます。
三度目の殺人
一人目は北海道、二人目は工場長、三人目は…!?
考察になりますが、三人目の殺人は三隅自身ではないでしょうか。
ただ、気になるのは、その殺人を犯したのはどちらなのかということ。
三隅が自分自身で臨んだものなのか、重盛の咲江を守りたい思いからなのか。
ただの器
劇中で重盛が三隅に伝えた言葉にはどんな意味があるでしょうか?
これも様々な憶測が飛び交っていますが、僕としては、三隅の特殊能力でもあるシンクロに由来しているのではないかと考えます。
誰かの感情に寄り添う器ではあるけれど、ただ寄り添って、その人の願いを叶えるだけでいいのか?自分の意志として考えなくていいのか?という思いが暗に現れているような気がします。
ガラスに重なる三隅と重盛
ここにも深い意味があるような気がしてなりません。
ここで、ついに三隅は重盛にシンクロしたのではないかと思います。
咲江の将来を守りたい重盛の気持ちに同調し、咲江の供述が必要ない状態にしたいと願う重盛に賛同し、急に意見を翻し、自分に不利な状況を作り上げたような気がします。
三度目の殺人
そんなに難しいことを考えずに、二人の男の対決を観に来て頂ければ、それだけでも楽しめると思います。非常に緊迫感のあるドラマになっております。あの表情の微妙な変化は大きなスクリーンの方がより伝わると思いますので、是非映画館で観て頂きたいです。
http://cineref.com/report/2017/09/post-266.html
インタビューで是枝監督はそうおっしゃってましたが、複線や意味深なものが多すぎて中々そう純粋に見れなかったです。
一言でこの映画を言うならば、「真実の意味」でしょうか。
『そして父になる』の時に法律監修で入って頂いた弁護士さんたちから、「法廷は真実を追求する場所ではなく、利害調整をする場所」という現実的な捉え方をしているのを聞いて、誠実だなと思う反面、怖いなと感じたのです。「法廷は真実を明らかにしてくれる場所ではないのか」と思い込んでいる一般の我々とのズレが興味深いと。
http://cineref.com/report/2017/09/post-266.html
このインタビューからも分かるように、一般の方が考えている裁判と弁護士や検察官の考える裁判には大きなズレがあります。
それをヒントに作られた今作だからこそ、意外にテーマは単純な部分に隠されているかもしれません。
僕もまた改めてこの作品を見てみたいと思います。
※実際のところ、作者や監督の考えを探す必要はあまりないかもしれません。
見たものを見たままに感じて、合わないのならそれでもいいんです。
それでも、好きな作品だからこそ、知りたいなぁという知的欲求は止められませんよね。
この世の中に素晴らしい作品がたくさんあることに感謝してます。
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