こんにちは。ツムリです。
日々の中で笑える事もあれば、泣きたい事もある。
なかなか物事に対してフラットになるのは難しいことです。
でも、フラットな気持ちは本当は必要じゃないのかもしれない。
もっと大事にすべきことがあるのかもしれない。
そんな気持ちの縮図とも言えるような映画に出会いました。
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目次
ショートターム
『ショート・ターム』(Short Term 12)。2013年。アメリカドラマ映画。
監督: デスティン・ダニエル・クレットン
出演:ブリー・ラーソン、ジョン・ギャラガー・Jr、ケイトリン・ディーヴァー、ラミ・マレック
原作は22分のショートストーリーであるShort Term 12。
ラーソンとジョン・ギャラガー・Jrはskypeを通じたオーディションで、子供たちの多くは公開募集でそれぞれ配役が決定した。
あらすじ
新しくホームの従業員としてやってきたネイト(ラミ・マレック)に、ホームでの過去の話を面白可笑しく話すメイソン(ジョン・ギャラガー)のシーンから映画が始まります。
職員が始業前のゆったりとした時間を過ごしていると、叫び声と共にサミー(アレックス・キャロウェイ)が飛び出してくる。
一緒に話をしていたグレイス(ブリ―・ラーソン)とメイソンが弾かれたように後を追いかけ、新人のネイトは、訳も分からずに3人の後を追いかける。
何とか施設の敷地内で追いつき捕まえることが出来た。
実は、敷地外に出た入居者の身体には触れてはいけない決まりがある。
無理矢理連れ戻すことが無いようにと定められた決まりで、このため、ケアワーカーやケアマネージャーは何とか敷地内で保護しようとする。
ある日、ホームにジェイデンという女の子が入所することになるが、ジェイデンは長くいるつもりはなく、ホームの人間と距離を置こうとする。
誕生日に迎えに来るはずの父親が一向に現れず、ジェイデンはパニックを起こし、スタッフに暴力的なふるまいをしてしまう。
反省部屋に入れられたジェイデンの元に訪れたグレイスは自分の自傷跡を見せる。グレイスもまた、心に傷を負っていた。
落ち着きを取り戻したジェイデンを迎えホームのみんなでジェイデンの誕生パーティーを行っていたが、パーティーの途中でジェイデンは脱走し、グレイスが触れることが出来ない敷地の外まで出てしまう。
グレイスはジェイデンの後を追いかけて行く。ジェイデンは自分の家が留守だとわかるとグレイスと二人ホームに戻る。
グレイスは妊娠していたが、中絶の予約を入れていた。
恋人関係にあるメイソンに妊娠をうち明けると彼は喜んだが、グレイスは様々な悩みを一人で抱えていた。
見どころ
心の傷
ホームの誰もが心に傷を抱えています。
この映画のなかでは親や身近な人からの虐待が多いですが、自分の暮らす環境の中で息苦しさを覚えたことが原因かもしれません。
人はそんなに強くはないから、誰かのものを欲しがるし、何を与えられてもきっと満足出来ない。
その隙間を埋める方法が分からなくて、悩み苦しんでる。
その為に、自分を傷つけて居場所を探したり、誰かを傷つけて立ち位置を確認したりする。
それが良くない事だってそんなのきっと分かってるのになぁ。
グレイスの悩み
妊娠していることが分かると浮かない顔をして、赤ちゃんを堕ろす日取りを医師と相談するグレイス。
彼女もまた悩みを抱えていた。
ホームの仲間にとって、頼れるお姉さんの存在であるグレイス。
その悩みが浮き彫りになるのが「父親の出所を知らされるシーン」。
父親から性的虐待を受けていたせいでグレイスは子供を育てる自信が無かった。
メイソンからの求婚をOKした後に、不安から本当の気持ちではなく、「結婚できない、子供は生めない。」と伝えてしまう。
更に動揺したメイソンは、ジェイデンが父親から虐待されていると疑っていることから、ジェイデンの家に忍び込み父親に向けバットを振りかぶったところをジェイデンに見つかる。
二人はジェイデンの父親の車のガラスを交互に叩き割り、自分自身の傷を見せ合いながら寄り添い合っていく。
メイソンの思い
メイソンはグレイスを愛していますが、ホームのみんなとの接し方はグレイスとは少し違ったものに感じます。
メイソンが痛みを分け合うように接しているのに対し、グレイスが分け合うのはきっと喜び。
聞いている音楽を聞かせてとイヤフォンを片方貸してもらったり、ラップを綴る横でパーカッションをしてみたり。
彼なりの距離の縮め方なんでしょう。
イヤな人がすればこれほど不快なことはないかもしれません。
ただ、メイソンがやると嫌な気持ちがしない。むしろ、仕方ないなぁといった表情でスペースを共有してくれる。
この慈愛にも似た空気にグレイスは惹かれたんじゃないでしょうか。
優しい人だなぁと映画を見ながら感じました。
それでも、決めるときはここぞとばかりにちゃんと言葉を伝えられる。
あれ?メイソン素敵やん!
デスティン・クレットン監督インタビュー
今回の出演してくれたみんなは、監督にいい所を見せようという気持ちでやっている訳ではなく、自分が演じる人物の心をちゃんと理解していて、僕が何もしなくても演技が出来ている様な状態でした。
LOAD SHOWより
若い人は大げさになりがちで、わざとらしいと語るデスティン監督ですが、今回の演者さんを絶賛していました。
二人の関係で一番大きな問題となっているのが、グレイスが自分の抱えている苦しさについて話さないことなんです
LOAD SHOWより
僕はグレイスとメイソンがとてもかわいく感じてました。
不完全な2人が、一緒に歩きだして成功する。
まとめ
97分の中に人の成長があって、とても心地よかった。
生きたいと死にたいってホントに表裏一体なんだなと思う。
僕の人生でも、「死にたい」が「生きたい」に聞こえることは何度もあった。
きっと、自分が願う幸せの形が少し難しく感じてしまったり、ハンデを必要以上に感じてしまったりして、本当は大したことじゃなくても心の準備が出来てないと思ってしまう。
大したことじゃないよと無責任に笑うことは出来ないけど、メイソンみたいに柔らかくお互いが楽しめる空気を作れる人間になりたいかもしれない。
結局のところ、向き合うことは大事。
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