【映画】返校言葉が消えた日のあらすじとネタバレ感想。ホラーで史実。

こんにちは。つむりです。

「返校 言葉が消えた日」をご覧になりましたか?

原作はゲームのこちらの作品は恐怖と悲しみの中で、ホラー映画でありながら涙を流す人が続出する台湾映画です。

1962年。思想や表現が抑制されていた時代。政府に禁止されていた書物を読む読書会が秘密裏に開かれていた。

返校 言葉が消えた日

  • あらすじ
  • 見どころ
  • ネタバレ感想

返校 言葉が消えた日

公開2019年台湾 日本では2019年9月
監督ジョン・スー
原作「返校 -Detention-」のゲーム・プロデューサー、ヤオ・シュンティン
本編102分
出演 ワン・ジン
  ツォン・ジンファ
  フー・モンボー
  チョイ・シーワン
  リー・グァンイー
  パン・チンユー
  チュウ・ホンジャン

返校 言葉が消えた日 あらすじ

返校

1962年。自由な思想や表現が禁止されていた台湾の話。

翠華高校の校門で、男女一列になり、登校してくる生徒をバイ教官が睨みつけるように見張っています。

教官は帽子を深くかぶり、目を合わせないようにするアソンに声をかけ帽子を直すように指示します。

アソンは慌てて帽子を直しますが、挙動のおかしさから、教官からカバンの中身を見せるように言われます。

戸惑いを見せるアソンの後ろから、ウェイが登校してきます。

とっさに、アソンのカバンから人形を取り出し「持ってくるなよ」と言いながら教官に見せます。

教官は納得し、二人は解放されます。

その横を見ながら、ファン・レイシンが通り過ぎていきました。

生徒たちはその後、中庭での朝礼へ。いつものように、国旗掲揚式が行われました。

放課後、ウェイは学校の倉庫に向かいます。

返校

使われていない倉庫の奥の小部屋では、数人の生徒と音楽のイン先生がいて、発禁本を読みながら語らいあっていました。

当然このようなことがバレれば逮捕されてしまいます。

“台湾は戒厳令の時代。反政権から国民は、自由な思想に関する書籍を読むことは固く禁じられていた。禁を破った者は処罰され、死刑も執行された…。”

場面が変わり、水責めの拷問を受けるウェイ。

処刑するぞと脅されながらも何も口にせず、ボロボロのまま牢屋に放り込まれました。

【悪夢】

返校

夜の教室で、ファンは目を覚まします。

ずいぶん長い時間眠っていたようで、周りには誰もいませんでした。

不思議に思いながら赤い蝋燭に火をつけ、廊下に出ます。どこかで女性のすすり泣くような声が聞こえ怯えたファンは足早に歩き続けます。

すると、美術担当のチャン先生が見えました。

必死に追いかけ声を掛けますが、ファンには気づかず先に行ってしまい、部屋の中に入り扉を閉めてしまいます。

チャン先生が入った扉を開けようとしますが鍵がかかっているように開きません。

その時背後で人の気配を感じました。

見てみると自分と似た制服を着た女の子が立っていました。顔の見えないその女の子はだんだんと近づいてきます。

パニックになり扉を必死に開け、ようやく中に入るとそこは講堂でした。

中に入ると、国家は君に感謝するという声が聞こえ、天井には首を吊っている生徒、そしてたくさんの手拍子が聞こえてきました。

いつの間にか教室に戻っていたファンのところにウェイがやってきました。

返校

二人とも知らないうちに眠ってしまっていたと話し、一緒に学校を出ようとします。

なぜか中庭にはファンのお墓がありました。

校門を抜け、二人は愕然とします。

目の前には大きな川があり、とても学校から出られない状況でした。

二人は仕方なく教室に戻ります。

教室に戻るとどこからともなく電話の音が聞こえ、二人は音を頼りに電話の場所へ向かいます。

ウェイが電話を取ると雑音しか聞こえませんでしたが、ファンが受話器に耳を傾けるとチャン先生が「ここから出ろ」と忠告します。

しかしそれっきり声は聞こえなくなります。

チャン先生を探すため職員室に向かう二人ですが、、、。

返校 言葉が消えた日 見どころ

返校

舞台は1962年の台湾

まず最初にこのことを知っておくと話に入りやすくなります。

この時代の台湾では何が起きていたかと言うと、

第二次世界大戦中に台湾やアジア諸国は日本の植民地になっていましたが、日本が戦争に敗れ台湾は中国大陸から来た中国国民党政府が行政を引き継ぎます。

1947年に起こった二・二八事件(2月27日役人がたばこ屋の台湾人女性に暴行を加えた。翌日、台湾人が抗議デモを起こすと憲兵隊が発砲。台湾全土へと抗争が広がることになる。)を引き金に、中国大陸から援軍を派遣し、国民党政府は武力でこれを鎮圧した。とあります。

そして、1987年に戒厳令が解除されるまでの期間を「白色テロ」といい、今作の時代背景はまさにそれを表しています。

自由思想を排除する風潮にあり、発禁本を読んでいるだけで逮捕された時代。

史実とホラーの融合

返校

返校

史実をありのまま出すわけではなく、ホラー要素を盛り込むことで実際のところ歴史上の話は少し薄れてしまいます。

ただ、そのことで入りやすくなった人はかなり多いはず。

原作はゲームですが、監督自身もプレイしておりそのリスペクトは映画にしっかり反映されています。

ゲームをプレイした人も絶賛の作品のようです。

ゲームの人気に火が付いたのは言わずもがな若い層によるもので、実際にあったこと、忘れてはいけないものを別の角度から興味を持たせてくれたという意味でも、ゲームも映画もとても大きな役割を果たしたと思います。

もちろん、ホラーらしく、前半は不気味な色、不気味な音などが観てる側を本当に不快にさせます(いい意味で。)

発禁本

映画の最後に発禁本として出てくる「苦悶の象徴」は現代であれば見ることが出来ます。

心理学の本ではありますが、これも当時の政府からすると自由な思想を持ちかねない内容だったんでしょうね。

「苦悶の象徴」

口コミ・レビュー

返校 言葉が消えた日 ラストとネタバレ感想

ネタバレを含みますので、苦手な方はここでそっとページを閉じてください。

返校

返校 言葉が消えた日は史実に、ホラーとミステリーを掛け合わせえた作品です。

本筋にもう一つの要素を加える手法は様々な作品で使われてきましたが、きれいにハマった感じはありました。

ただ、ホラーが苦手な僕はやはり怖かった。。笑

そんなとこでどーん!みたいな音いる!?って思ったり、そこに逃げたら絶対ダメなやつやんか!

となったりはありましたが笑、実際のところ、中盤以降は、少々のグロさはありれど、ミステリー要素がどんどん強くなってきます。

読書会のメンバーが殺されていた背景で誰かが密告した可能性が出てきます。

しかし、ウェイとファンは学校で目が覚めるまでの記憶が曖昧で、その手掛かりを探すために、得体のしれないバケモノのいる学校を歩きまわります。

この作品は、

  • 悪夢
  • 密告者
  • 生きている人

の三部から構成されており、それぞれに展開が用意されています。

悪夢-学校で眠ってしまっていたウェイとファンが体験する、恐怖の世界。

密告者-テロップが出た後には、ファンの母親が、父親を通報したとは自白するシーンがあります。

が、本当の悲しき密告者はファンでした。

母親の密告を悲観するファンでしたが、思いを寄せるチャン先生とイン先生が話しているところを見てしまいます。

そこでファンとの関係に気をつけなさい言ったイン先生を疎ましく思い、読書会に参加しているイン先生の発禁本をバイ教官に渡し密告したのでした。

そうです。

読書会を密告したのは、恋心から、相手を疎ましく思ったファンでした。

学校の中で少しづつ記憶は呼び覚まされます。

思い出すと、ファンは何度もここで同じルートを辿っていました、最初に出てくる同じ制服の女の子は実は自分自身だったのです。

悪夢の中で「国家は君に感謝する」と聞いたのは、密告を称えたバイ教官からの賛辞でした。

イン先生が捕まっていなくなればいい。とそれだけを望んだファンでしたが、読書会が密告され、チャン先生は死刑、ほかのメンバーも死刑や拷問を受けます。

ウェイが受けていた拷問はこのためでした。

その後、密告者の烙印を押されたファンは、自責の念に堪えられなくなり首を吊ってしまいます。

実は、ファンはすでに死んでおり、後悔の念から地縛霊になり、ずっと同じところをぐるぐると回っていたのです。

白色テロ時代、国民に課せられていたのは、監視と密告でした、、、。

誰も信じられない毎日は苦しかったでしょうね。

そして、最終章。

返校 言葉が消えた日

生きている人-倉庫奥の小部屋に遺影のあった読書会メンバー、悪夢の中で首を吊っていたり、バケモノに殺されたり、バイ教官に撃たれたりと絶望の後にあるこのタイトル。

唯一の生存者は、拷問中にこの悪夢にさまよったウェイでした。

ウェイは死刑にはならず、拘束されていましたが、1987年に戒厳令が解除され解放されていました。

翠華高校がマンションの建設予定地になったことを知ったウェイはチャン先生の言葉を思い出し、発禁本を取りに行きます。

倉庫の棚の上にあった『苦悶の象徴』の中の手紙を机に置くとファンが現れます。

チャン先生からの手紙には今世では縁がなかったが、来世で会おう」と書かれ、鹿のネックレスもありました。

笑顔になったファンは「永遠に忘れません。」とウェイに言いました。

なにこれ!

ホラーだったのに最後ほんとに切なくなった。

時代に翻弄された悲しい犠牲者なんだろうなと思ったし、人間はやっぱりロクなもんじゃないなとも思った。

密告しなければこうはならなかったでしょ!って部分は否めないけど、、そもそもそんな世界にしたのは誰かという話。

その後エンドロールが流れ始めるんですが、一番最後にチャン先生の声で、

「平凡で自由に生きてほしい」ってのが現れます。正直、こみ上げるものがありました。

これが制作者の一番の願いなのかなと思うとやっぱり、この時代のことは気になったし、誰も救われない時代だったんだなとも思った。

人間の愚かさとか、傲慢さはあるけど、、それでも反省出来るのも人間の強みだと思うんです。

ここまで読んでくださった人はおそらく、一度見た方だとは思います。

もう一回見たくないですか?

僕は見たい!

記事を書いて、少しだけ時代が分かった上でもう一度見たい。

しかし、まぁ、人間は怖いね。

返校 言葉が消えた日 もR15でしたけど、同じくR15のジョーカーもやばかったっす。

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