【映画】苦痛すらもいとおしい。ブレイン・ゲームのあらすじとネタバレ感想

"ブレイン・ゲーム"

映画”ブレイン・ゲーム”を観ました。

ブラッドピット主演のサイコサスペンス映画【セブン】の続編として脚本の執筆されたが、続編の話がなくなり単独の作品として制作された本作。

主演のアンソニー・ホプキンスの沈黙イメージが強すぎて最初は悪者かと思い込んでいました笑

イメージって怖い。

超能力の表現が面白く、ストーリーもシンプルで分かりやすかったのですが、セブンの続編にしてはあっさりしていた感はあったかも。

ではブレイン・ゲームについて解説していきます。

  • あらすじ
  • 見どころ
  • ネタバレ感想

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ブレイン・ゲーム 

公開2015年9月カナダ(プレミア上映) 2018年10月日本公開
監督アフォンソ・ポヤルト(トゥー・ラビッツなど)
脚本テッド・グリフィン(オーシャンズ11キス&キル)
本編101分
出演アンソニー・ホプキンス
ジェフリー・ディーン・モーガン
アビー・コーニッシュ
コリン・ファレル
…他

ブレイン・ゲーム あらすじ

"ブレイン・ゲーム"

超能力者のジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)は娘を亡くしてからというもの、世間との関わりを断って生きていた。

ある日、旧友のFBI捜査官、ジョー・メリウェザー(ジェフリー・ディーン・モーガン)がジョンの元を訪ねてきた。

ジョーはジョンの力を使って連続殺人犯を逮捕しようと考えていた。

当初、そんな話は聞きたくないと断っていたジョンだったが、一緒に来ていたカウルズ(アビー・コーニッシュ)に触れたときに、彼女の悲痛な未来を予知してしまう。

翌日、捜査に協力することにしたジョンは2人を待ち約束はしないが協力するといい捜査に加わることとなった。

"ブレイン・ゲーム"

ジョーの相棒であるカウルズは超能力の存在を信じていなかったが、ジョンと接していく中で次第にその力を信じるようになっていく。

やがて、犯人はチャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)という名前の男であることが判明する。

しかし、先回りされていたことや、被害者がある法則によって狙われていたことから、チャールズは超能力を駆使して犯行を重ねていたことが分かった。

さらに、チャールズのその力はジョンの能力を上回るものだった。

ブレイン・ゲーム 見どころ

"ブレイン・ゲーム"

超能力対決

今作の見どころはやはり超能力者同士の対決です。

超能力と言っても、マーベルヒーローのようなアクションバリバリのものではなく(そんなことはわかっている)、未来の読み合いです。

ジョンもチャールズも未来(または過去)を見ることが出来る超能力を持っており、その能力で犯行に及ぶチャールズと犯人を追うジョンの戦いを描いています。

"ブレイン・ゲーム"

面白いのはその描写です。

ジョンの能力は断片的に見えるときにはフラッシュバックのような表現になりますが、集中して「見る」ときには、対象者の行動の軌跡が見えます。

まるで分身したようにその人の行動の一つ一つが同時に見える描写はとてもユニークで面白い表現でした。

また、ジョンの予知と現実が交錯するシーンが何度かあります。映像作品の強みを生かした演出で見ごたえ充分です!

原題は「Slace」

ブレイン・ゲームは邦題ですが、原作のタイトルは「Slace」

翻訳すると「癒し」という意味があります。

今回のテーマにも繋がるものになるので、敢えてブレイン・ゲームとしたんだと思いますが、少し目線をずらしすぎかなぁというのが正直な感想です。

まぁナンセンスな邦題が多いのは今に始まったことではありませんが笑

頭脳戦だけじゃない

ブレイン・ゲームというだけあって、心理戦や頭脳戦はもちろん、ジョンとカウルズがチャールズを追いかけるシーンでは街中でのカーチェイスシーンもあります。

そこでも、ジョンの能力を発揮し、逃走車両や追いかけるべき方向など的確にしらせてくれます。

憤るカウルズと冷静なジョン。

いいバディになりそうな予感さえ感じました。

続編があるならこのバディで登場してほしいですね。

ブレイン・ゲーム ネタバレ感想

"ブレイン・ゲーム"

※ここからはネタバレも含まれます。

チャールズの意図

一連の犯行には、一貫性がありました。それは、

「病気を患っている人を楽にする」でした。

チャールズはその能力で、人の未来が分かりあとどれくらい生きられるか?また、どんな最後を遂げるかが分かってしまいます。

その為、病気で亡くなる間際まで苦しむのであれば、早々に楽にしてあげたいという慈悲の心から犯行に及んでいました。

この辺りの意味が原題のSlace(癒し)に込められているんでしょう。

"ブレイン・ゲーム"

また、チャールズは自身の後釜にジョンをと考えていました。(理由は明かされていませんが、チャールズはもうすぐ自分が死ぬことを予期していました。)

それは同じ能力に加え、意志も継いでくれると思ったからでした。

ジョンも白血病に苦しむ娘のエマを安楽死させていたことをチャールズは知っており、ジョンであれば引き継いでくれると考えたのです。

チャールズの意図を知り、最初は迷いのあったジョンでしたが、ジョーの死の間際に放った「まだ、死にたくない」という言葉に、迷いは吹っ切れ、チャールズの言葉には惑わされなくなります。

「救済」VS「本人に意志があるのなら苦痛すらもいとおしい」

最終的な構図はこのような意志の違いでした。

能力の優劣

ジョンはチャールズが自分より優れた能力を持っていると認めます。

それは、常にチャールズがジョン達を先回りしていることが理由でした。

  • ジョンが資料に目を通すことを見越して送られた「who am I?」
  • ジョーやジョンが到着するタイミングを見越して書かれた時刻
  • ジョンには分からなかった12歳の少年ロバート・エリスの脳腫瘍

who am I?のメッセージはジョンがちょうど資料に目を通しているときに聞いていた「ラ・ボエーム」の一節でした。

先回りされていた到着時刻や、ロバート・エリスの司法解剖中に届いたファックスも同じく、すべて予知されており、一時はまったく歯が立たないとあきらめたほどでした。

疑問点

ここからは、あくまで私個人の考察です。ご了承ください。

チャールズは死ぬことが分かっていたとして、自分よりもかなり年上のジョンを後継者として選ぶ理由がよくわかりません。

逆の構図であればすぐに胸に落ちそうですが、、。

また、アシュランド駅の銃撃のシーン。

健康だからカウルズを殺すはずがないというジョンの問いかけに、そうだなと言いつつも、しっかりカウルズに銃弾を放つシーンも少し疑問が残ります。

2人の会話のやり取りを考えるとカウルズをかばうシーンがまるまる意味を成さなくなります。

そこでふと疑問が芽生えました。

本当に能力の優劣はチャールズが上なのか?

仮説として、

・チャールズの見た未来は変わらない、そしてジョンよりも早く正確に見える。

・ジョンの能力は自分で未来を変えることが出来る。(ただし、遠く先の未来は見えないので、何分後かに起こることに限る。)

こう考えると、チャールズがジョンを特別視する理由も納得が出来まし、ジョーは救えず、カウルズは救えたことも腑に落ちます。

ブレイン・ゲーム 評判

"ブレイン・ゲーム"

過去も未来も見えるサイコメトラー対決。

殺害されている人達にはある共通点があり、それに応じて犯人の殺害動機が明かされる。ラストの展開や額の傷等繋がるのは”見える”から起こる展開だと感じる。

https://filmarks.com/

大傑作だ(・∀・!)

なんつっても展開が早い!これすっごい大事!1カット長い映画やセリフ少ない映像美系て自分苦手なんですよねー

アート感みたいのは高くなるけどよっぽど才能ある監督じゃないとただ退屈なだけなんだよね

サスペンスでよくモサーっとした映画あるけどモサいらないw

https://filmarks.com/

前半はよく引き込まれるけどちょっと中盤が雑かな、オチは好き。設定も話の展開も好きなのでちょっともったいない気もする。

https://filmarks.com/

好みは分かれますが、全体的に高評価の作品です。

能力や展開がさほど珍しいものではなく、物語が進行していくので真新しさはないというところでしょうか。

ただ、テーマの安楽死という部分が引っかかって引き寄せられているような印象ですね。

まとめ

"ブレイン・ゲーム"

いかがだったでしょうか?

アンソニー・ホプキンス、ジェフリー・ディーン・モーガンが並ぶと、羊たちの沈黙とウォーキングデッドのイメージが強すぎて悪い奴ばっかりだ!ってなイメージで入ってしまいましたが、名俳優たちの共演はさすがの一言。

すっかり引き込まれてしまいました。

101分という長さも中だるみがなく見やすい尺でしたし、安楽死というテーマにそったとても見ごたえのある作品でした。

気になるのはラストシーン。

チャールズと同じ額の傷、そしてチャールズのセリフ「また会おうジョン」。

ジョンはチャールズの誘いに乗ってしまったのか、、その後の描写はありません。

是非、本作をご覧になってください。

話は変わりますが、吹き替え版では、津田健次郎さん(チャールズ役)や大塚明夫さん(ジョー役)などの大御所も出演していますのでお好きな方はそこも是非お愉しみください!

ブレイン・ゲーム

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2 Comments

釜石

>また会おう、ジョン
チャールズは本編と同じく、本編後(死後)の先まで既に見通していて、
先回りして何か伝言めいたものを仕掛けているとも取れる台詞と取りました
普通の続編なら録画映像で出てくる的な物を、彼らだけの手段であるリーディングで

ジョン自体が最後どのような立場になったのかすら分からないが、
ジョンに自分のやり方を伝える代償として、過去を清算出来るように導いた
ジョンが今後の全てを託された(自分と同じように行動しろ)というわけでなく、
ジョンから生まれる可能性のために接触したように見えました

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tsumuri

釜石さん
コメントありがとうございます!
ジョンから生まれる可能性という言葉がとてもしっくりきました!
ありがとうございます!

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