こんにちは。tsumuriです。
梅雨になり雨がふえましたね。
そもそも、コロナで外出も少なくなっている今だからこそ読んでほしい本があります。
児童書「ハッピーバースデー」まだ読んでいない人は是非読んでみてください。
泣きたいなら読まない理由は無いです。
- 1行目のセリフが「お前生まれてこなきゃよかったよな」
- 精神的に追い詰められた主人公のあすかは声が出なくなってしまう。
- あすかを追い詰めていたのは、母親だった。
- 母親があすかに対してそんな態度を取ってしまうことにも理由があった。
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目次
ハッピーバースデー
あらすじ
あすかは誕生日に母親の帰りを心待ちにしていた。
あすかには毎年”誕生日”をしてくれる母親の愛情が必要だった。
しかし、母親は中々帰ってこない。
兄はおもしろ半分に妹のあすかを茶化す。
ようやく帰ってきた母親は、あすかの誕生日のことを忘れていた。
母親と兄とのやり取りの中で、あすかの精神はギリギリまで追い込まれ、ついには声が出なくなってしまう。
学校でも、声が出ないことを不審に思った担任の教師が母親との話し合いを試みるが…。
ネタバレ
※ここからは本編を読んだ感想やシチュエーションについて書いていくのでネタバレが苦手な人は読み進めないでください。
兄・直人の変化
このお話の中で、あすかに並んで主人公といっても差し支えないのが兄の直人です。
僕はこの児童小説は、再生と成長の物語だと思っています。
その中で、兄・直人の考え方や思いやりの変化や成長は見ていて清々しさを覚えます。
もちろん、精神的苦境から立ち直ったあすかの成長が何よりも素晴らしく、その強さに何度涙したか分かりませんが(一度読むと5回は泣いています。)
それでも、直人は自分の成長はもちろん、あすかに対しての後悔の念をいつも心に持って自分を戒めているようで、その健気な姿にも感動します。
じいちゃん・ばあちゃんの思い
この作品の中でいなくてはならなかったのが、宇都宮のじいちゃんとばあちゃん。
声の出なくなったあすかを思い、そばでそっと支えてくれていた2人。
この2人がいなければあすかの声が出ることも無かったかもしれない。
じいちゃんが話す言葉に、読んでる僕も、何度も励まされました。
自然体でいることの大切さを教えてくれたのが、じいちゃんとばあちゃんでした。
話の中盤以降で、静代があすかを愛せない原因に、二人は自分たちを責めるようになります。
その二人が1番辛かったのはその罪を孫にまで背負わせてしまったこと。
こんな風に、全部を自分の罪として受け入れられる人、受け入れた上で次へと進められる人になりたいなと思いました。
母・静代の胸中
あすかが一番愛して欲しかった母・静代
反対に静代はあすかだけはどうしても愛せなかった。
静代は二人姉妹で、春野という姉がいました。
病弱で入退院を繰り返していた為、父と母(あすかからするとじいちゃんばあちゃん)は春野に付き添っていたせいで、静代はいつも寂しい思いをしていた。
ある日、いつもはいない父と母が家にいて、3人で過ごせることがあったが、病院からの連絡で春野の容体が悪化したとの電話が入る。
電話を受けた静代は、この団らんの時間を奪われることがイヤで両親には話さなかった。
春野は病院で一人、ひっそりと息を引き取った。
両親は静代を責めなかった。
静代はそれ以来、好物だった桃が嫌いになった。(春野が生まれた年に植えた木が桃の木)
あすかは春野にどこか似ていた。
この部分までくるとそれまでずっと嫌いだった母・静代の悲しみに触れたような気がして僕自身も胸を締め付けられる思いになりました。
若い年下の上司にも静代の胸中は簡単に見抜かれていました。
しかし、それは上司も母親からの愛情を貰えず、自身とあすか、静代と実母を重ねているからだったのです。
誰かが悪人なら話は簡単ですが、そう単純ではないので静代もある意味では被害者なのかなとも感じていました。
ただ、向き合うことが出来なかった彼女の弱さや、あすかを傷つけた行為を看過できるものではないですよね。
それでも、母とまた呼ばれたいと思うようになり、カウンセリングにも興味を示し始めます。
静代の、再生と成長の一瞬一瞬も見所です。
転校先のクラスでのイジメ
あすかの転校先の青葉小学校6年2組ではいじめがあった。
クラスの中にある勢力図にうまく乗らなければ今度は自分がいじめられてしまうという恐怖におびえ、誰も声をあげない。
あすかはそれがおかしいと感じながらも最初は何も言えなかった。
イジメられていた金沢順子は死を決意して学校を飛び出した。
あすかの言葉で踏みとどまった矢先に、今度は金沢順子がいじめる側に回りそうになる。
クラスを何とかしたいと考えたあすかの提案で保護者も参加する学級会が開かれる。
一人一人の思い、親の思い、をみんなが少しづつ話始める。
「人生には色んな日がある。どしゃ降りで濡れてる人間を笑うんじゃなくて、傘をさしてやる度量を持ってほしい。傘をありがとう。」
と話したのは自殺を考えた金沢順子の父親だった。
その発言から、クラスの一人一人が閉じ込めていた自分の思いを話始める。
この話が本当に組織、ひいては日本国の縮図のような気がしました。
子供のような柔軟さでこんな風に、ごめんなさい。と心から言うことで、わだかまりが解ければいいのですが、大人は中々そうもいかない。
本当はそんなことないので是非この本を読んで自然体について何か感じて貰えたらなと思います。
あすかのサプライズバースデー
あすかの誕生日パーティーを直人とじいちゃんが計画していた。
あすかには内緒であすかと関わりの深いメンバーを集めるというものだった。
しかし、パーティーを目前に控え、突如じいちゃんが帰らぬ人となる、また養護学級で知り合えた友人・めぐみも体調を崩したまま息を引き取る。
短い間に二人もかけがえのない人を無くし失意にくれていたが、持ち前の信じる強さと周りの支えに助けられ前を向いて歩けるようになっていた。
そんな中、以前通っていた小学校の教員であった橋本先生の旦那さんがレストランを開くのでそのパーティーという名目であすかを呼び出し、みんなでサプライズを仕掛ける。
集まった一人一人があすかとの出会いや感謝を述べる。
海外出張中の父・裕治と母・静代はまだ来ていない。
静代はケーキを焼いていた為、少し遅れていたようだった。
裕治もなんとか間に合い、みんなで声を合わせる。
「ハッピーバースデーあすか!」
最後のみんなおセリフでようやくすべてが報われた気持ちになりました。
大変な事ばかりですけど、それでも頑張りや意志はきっと届くんだなと思いました。
口コミ
読み返したくなる物語
昔、図書館で借りたのを思い出してまた読みたくなり購入いたしました。
その時は文庫本だったのですが、この単行本では加筆されたところがとても好きです。
大人になってもいい話だなと思います。
「心の処方箋」と言うだけあって気持ちが良くなる話ですね。(amazonレビュー)
子供に読み聞かせてください。
子供に読み聞かせている間から、胸が熱くなれる1冊です。見えない絆が見えてくると思います。子育ての疲れを感じた時に、オススメします。(amazonレビュー)
泣いて、泣いて、泣いて。勇気と希望が湧いてきました
小説はあまり読まない私ですが、友人に紹介されてそんなにいいなら読んでみようかな、という気持ちになり注文した本でした。
親との関係で悩んでいる子、子どもとの関係で悩んでいる親、自分探しの旅の途中にいる人、いいえ、どんな人も読んで泣ける、泣いた後には、勇気が湧いてくると思います。
とにかく感動しました。私に初めてレビューを書く気にさせてくれた本です。(amazonレビュー)
最後に
いかがだったでしょうか?
少しストーリーの中で抜粋した箇所もありますが、何度も読んだ僕の感想を大いに踏まえて今回の記事を書きました。
僕はこの作品を涙無くしては読めません。
涙にはリラックス効果があります。是非「ハッピーバースデー」を読んで心にリラックスを与えてあげてください。
ただ、真っすぐなストーリーが苦手の方もいると思います。
もちろん人それぞれに好きな物があっていいし、それが、自然な姿ですよね。
でも、読む前から嫌いだなと決めてしまうことは自分の可能性を狭めるだけです。
目に留まったものに何となく手を伸ばしてみるのも大事。
もし、あなたがその時間を用意出来るなら、是非この本を手に取ってみてください。
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