【映画】「君の膵臓を食べたい」のあらすじと感想(ネタバレあり)

こんにちは。つむりです。

「君の膵臓を食べたい」を見ました。

原作は住野よるさんのデビュー小説「君の膵臓を食べたい」。

タイトルだけ見てどんな猟奇的な話かとビビッておりましたが、とても切なくて号泣必至の作品でした。

衝撃のラストまで目が離せませんでした。

ネタバレを含む箇所がありますので、まだ見られてない方はご注意ください。

君の膵臓を食べたい

公開2017年
原作住野よる
監督月川翔
本編115分
出演浜辺美波
北村匠海 (DISH//)
大友花恋
矢本悠馬
桜田通
森下大地
松藤剛人
上地雄輔
北川景子
小栗旬

あらすじ

君の膵臓を食べたい

「僕」は、卒業後に母校の教師になった。

図書館の取り壊しの為に、本の整理を頼まれるが断り切れず、図書委員と一緒に本の整理をすることになる。

「僕」はその図書委員に、自分の学生時代の話をし始めた。

「僕」が病院で偶然一冊の本を見つける。

その本には共病文庫と書かれていて、「僕」興味本位でその本を開いてしまう。

実はその本は、クラスメイトの山内咲良(浜辺美波)が綴っていた日記帳で膵臓の病気でもう長く生きられない事が書かれていた。

「僕」は家族以外で唯一、咲良の病気を知ることになる。

その後、焼肉に行こうとしたり、カフェに行ったりと咲良の「死ぬ前にやりたいこと」に付き合うようになる。

その中で2人は、お互いの「自分にないもの」に憧れを持ち心を通わせていくようになる。

しかし、そんな2人の中をよく思わない人もいる。

ある日、咲良に電車で遠出をしようと言われついて行くと新幹線だった…。

登場人物

君の膵臓を食べたい

僕・志賀春樹-北村匠海 (DISH//)(学生時代) / 小栗旬(12年後)

人との関わりが苦手で、人間関係を必要としていない。

本が好きで、いつも本を読んでいる。中でも太宰治が好き。

共病文庫を見てしまい、咲良の秘密を知ってしまう。

そこから、天真爛漫な咲良の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合うようになるが、もちろん最初ははめんどくさそうだった。

しかし、咲良と触れ合っていくうちに「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意する。

人の心の動きや成長にめっぽう弱い僕は、ベタな展開だと思いつつも「僕」の変化に感動しました。

ネタバレを含みますが、咲良の家のシーンで、

「お門違いなのはわかってるんです。でも、ごめんなさい。泣いてもいいですか?」

というセリフがあり、しっかりと人との関わりを持ちそれを大事にしていた春樹の心に涙が止まりませんでした。

山内桜良 – 浜辺美波

天真爛漫なクラスの人気者。

膵臓の病気を抱え余命1年と診断されていたが、家族以外にそのことを話していなかった。

「共病文庫」と言う秘密の日記を書いているが、元々は「闘病日記」としていた。病気を恨まず、受け入れる為に名前を変えた。

悩みが無さそうに見えた咲良にもしっかりと悩みがあって、笑顔の人気者でいることが不満な訳では無かったが、自分がアイコン化していることにどこか寂しさを感じていた。

咲良は「僕」の、自分らしくいる部分に憧れ、本当に自分を必要としてくれた「僕」のおかげで、初めて本当に一人になれたと感じていた。

咲良は「自分を本当に必要としてもらえた」という部分でしっかりと前に進んでいました。

共病文庫の最後には、その喜びが有り有りと綴られています。

滝本恭子– 大友花恋(学生時代) / 北川景子(12年後)

咲良の親友であり、「僕」からすると咲良の保護者のような存在。

活発だが、咲良によると泣き虫な一面もある。

咲良と「僕」の交流をあまり良く思っていない。

ちょっと「僕」に対しての偏見とあたりが強いところもありますが、それは咲良を心配してのことで友達思いではありますね。

咲良の死後、「僕」の最初の友達になる。

友達の為に、本気で怒れる人を親友って呼ぶんでしょうね。

ガム君(宮田一晴)- 矢本悠馬(学生時代) / 上地雄輔(12年後)

ガムを持ち歩いており、「僕」にも「ガムいる?」と何度か聞く。

物事に対して基本的にフラットな姿勢でいるからか、「僕」に対してもクラスメイトが一通り騒いだ後に「山内咲良と付き合ってんの?」と無頓着に聞いてきた。

後から考えると、ガム君が好きな恭子の行動に引っ張られて「僕」に興味が出たのかも。

「僕」の最初の友達と言える。

恭子の結婚式で出会ったときに最初誰か分からなかったが、「ガムいる?」のセリフで気付く。

二人の憧れ

君の膵臓を食べたい

僕の場合

  • 人を認めること
  • 人に認められること

人と関わることを好まず、人間関係を一人で完結させていた「僕」にとっての咲良は憧れそのものだったが最初からそういう訳ではなかった。

「誰とも関わらないことで自分の領域を守ってきた。」

そこへ咲良はずかずかと入ってきて、踏み荒らされたような気持ちになるが、その咲良の天真爛漫な態度にどこか憧れの気持ちを抱くようになる。

クラスで人気者で、思ったことをズバッと言える。

そんな彼女に憧れ、人を認め、人に認められる。そんな人になろうと願う。

咲良の場合

  • 友達に頼らない強さ
  • 自分に向き合える強さ

クラスでは人気者で誰からも愛される咲良も、病気を抱え一人になったときは泣いてしまう。

「私は弱いから、友達や家族を悲しみに巻き込んじゃう。」

春樹は本を読みながらいつも一人で、自分自身に向き合う強さを持っていた。そんな所に咲良は憧れて、いつも見ていた。

「僕」の世界

物語の中で、基本的に同級生しか出てこない。

セリフがあるのは、クラスメイトの限られた人くらい。

これは「僕」の世界を意味していると感じます。

世界を広げる気が無く、顔を覚えていないクラスメイトがいるほど。

そんな「僕」の世界観を出す為、セリフがあるのは「僕」が認識している周りくらいなのかなとも感じました。

星の王子様

咲良が「僕」に星の王子様を貸します。

星の王子様は今回のキーアイテムになっていると思います。

いずれ失うって分かってる私を、友達や恋人、君の中の特別な誰かにしたくないんだって。(山内桜良)

君の膵臓を食べたい

このセリフを咲良が言うシーンで星の王子様の本が映し出されます。

そこで気になりました。

皆さんは星の王子様をご存じですか?

これは星の王子様に登場するキツネのセリフです。

星の王子様
引用 PARIS mag

このキツネは王子様に、「なつかせて」と言います。

「なつく」ことは「絆を結ぶ」ことだと言い、それが出来たなら、僕らはなくてはならない存在になると話します。

この他にも名言がたくさん散りばめられていますので、大人にこそ読んで欲しいです。→星の王子様

話を戻します。

さっきの咲良のセリフを考えると、キツネとは真逆の考えを「僕」が持っていたんじゃないか?と考えていることになりますね。

つまり、なついて(名前を呼んで)、互いになくてはならない存在になる。

病気でいなくなってしまう咲良がなくてはならない存在になってしまうと、いざ、いなくなった時にその悲しみは計り知れません。

それを考えたセリフなんでしょうね。

また、星の王子様は主人公の名前が出てきません。

基本的に「僕」という一人称で話が進んでいきます。

「飛行機乗り」というワードは出てきますが、ずっと「僕」として進めているところもどこか共通していますね。

出会うことや、大切な人、大人になってしまうことへの切なさや、目には見えな大切なモノ。そんなものすべてから影響を受けているように感じますね。

「君の膵臓を食べたい」のタイトルの意味

映画を見た人なら、誰もがこのセリフに涙したことでしょう。

これは、言葉通りの意味では無いです(当たり前だ)。

本編の途中でも、出てきますが、

「人に食べてもらうことによって、魂がその人の中で生き続ける」

というセリフがあります。

咲良は「僕」に「私の膵臓を食べてもいいよ。」と言います。

それは、「僕」の中で生き続けたいから。

しかし、「君の膵臓を食べたい」と咲良が言ってしまうと意味があべこべになるような気もしないではないですが…。

手紙に綴られた言葉が、「未来に希望を抱いている」と考えれば、一緒に生きていきたいとも取れます。

その手紙(宝物)を見つけるのも少し時間がかかってしまいましたが、その手紙のおかげで恭子とも改めて友達になれましたね。

まとめ

クライマックスで少し予想と違う流れがあり、息を飲みましたが、大筋としては普遍的な感動物のストーリーなはずなのに、涙が溢れて大変でした。

きっと、僕を演じた北村匠海 (DISH//)さんと小栗旬さんによるところが大きいんじゃないかと思っています。

クラスの影の薄い存在が、クラスの人気者の行動に巻き込まれることによって少しづつ変わっていく様子を絶妙に演じた北村匠海さん、そして、原作には登場しないはずの12年後の僕を演じた小栗旬さん。

本当に素敵な感動作でした。

泣きたいときには是非、「君の膵臓を食べたい」をご覧になってください。

原作も是非手に取ってみてくださいね。

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