原作を途中まで見た僕ですが、知人の勧めで映画版ブルーピリオドを見ました!
青春ど真ん中の分かりやすいストーリー。
なんだかんだ好きなんですよねこういうの!
もがきながらも必死に前に進む感じ!努力が出来る人を羨ましいと思ってしまうタイプなので憧れが強くなるのかなとも思ってみたり。
また、映画化あるあるですが原作の圧倒的ファンの方にどう映るのか不安なところです。(にわかファンの僕としては比較的楽しめました!)
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目次
◆ 作品情報
- タイトル: ブルーピリオド
- 公開日: 2024年8月9日
- 監督: 落合賢
- 原作: 山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社「アフタヌーン」連載)
- 主演: 眞栄田郷敦(矢口八虎役)
- 共演: 高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、薬師丸ひろ子、江口のりこ ほか
本作は単なる「美術の受験ストーリー」ではありません。
正解のない世界で「自分とは何か?」を問う、等身大の“自己表現”の物語です。
◆ あらすじ:優等生が出会った、“好き”と“自分”

矢口八虎は、成績優秀・空気も読める・友達も多い、いわゆる“器用な優等生”。
だが内心では、「自分の本当の気持ち」を誤魔化しながら毎日を過ごしていました。
ある日、美術の授業で提出した「青い渋谷の風景画」が先生に褒められたことで、自分の中にある“言葉にできない感情”を絵にする喜びを知ります。
そこから彼は、美術部への入部、予備校通い、そして“合格率1%”の東京藝術大学(通称「藝大」)を本気で目指す決意をします。
◆ 見どころ:ブルーピリオドの魅力を深掘り!
1. 「絵が上手い」だけでは勝てない藝大受験
藝大受験の最大の特徴は、“正解がない”という点。
課題テーマは「自画像」や「ヌード」といった抽象的なもの。
必要なのは、構図力、観察力、技術力、そして「自分の視点でどう表現するか?」という独創性。
矢口は「見たものを上手く描く」だけの技術から脱却し、自分の経験・感情・葛藤を“絵”で語ることに挑みます。
これは全受験生がぶつかる“壁”であり、物語の核心でもあります。
絵が“手段”から“自分そのもの”へと変わっていく、八虎のプロセスが感動的です。
2. ライバルはみんな「自分と戦っている」
本作に登場するキャラクターたちは、ただの“脇役”ではありません。
それぞれが、自分なりの「好き」や「生きづらさ」を抱え、八虎に影響を与えていきます。
◆ ユカちゃん(鮎川龍二)|演:高橋文哉

性別違和を抱えながら、女性的な装いで生活する。家族や社会からの圧力と、「本当に好きなこと」の間で葛藤する姿がリアル。
彼の「好きなものを、ちゃんと好きでいていいんだよ」という言葉は、八虎だけでなく観客にも深く刺さります。
◆ 高橋世田介|演:板垣李光人

感情をほとんど表に出さない孤高の天才。誰よりも絵に真摯に向き合っており、圧倒的な画力を持つ。
一見“天才すぎて手が届かない存在”に見えますが、彼もまた絵にしか自分を表現できない、孤独な魂を抱えています。
◆ 森まる先輩|演:桜田ひより

八虎に「藝大を目指せばいいじゃん」と背中を押してくれた存在。
藝大の厳しさを知っているからこそ、彼女の「それでも描く理由」に説得力があります。
誰一人として“モブ”がいない。全員が「自分の戦い」をしている。それがこの映画のリアリティです。
3. 本当に「アートで生きる」とは?

『ブルーピリオド』の真のテーマは、「芸術を職業にするって、どういうことか?」という問いです。
- 社会的に理解されにくい
- 金銭的な安定がない
- 自分の心をさらけ出す苦しさがある
それでも「描かずにはいられない」人たちがいる。彼らの姿に触れることで、観客は「自分はどう生きたいのか?」と静かに問われます。
◆ ネタバレあり:“青”に込められた意味

一次試験の「自画像」、二次試験の「ヌード」を通して、八虎は次第に「上手く描くこと」に囚われる自分を脱ぎ捨てていきます。
あるとき彼は、自分が誰かの“評価”に支配されていたことに気づきます。
「自分の目で、自分の言葉で、自分の絵を描くこと」こそが表現なのだと。
最終的に彼は、自らの過去や感情と向き合った末に、自分だけの“青”を描き、藝大に合格します。
「青」は、彼にとって“未完成”で“これからを描く色”。
物語のタイトルそのものが、彼の成長過程を象徴していたのです。
◆ 実はこんな背景設定が…

● 矢口家の経済的事情
八虎の家庭は裕福ではなく、母からは「国公立に行ってほしい」と強く言われています。藝大の受験は、浪人のリスクも高く、金銭的にも精神的にも厳しい選択。
それでも八虎は「好き」という気持ちを貫こうとします。この覚悟が、物語の根底にある“等身大のリアリティ”を支えています。
● ユカちゃんの“性”と“表現”
ユカちゃんは性別の境界線上で揺れる存在。
家族の理解も得られず、学校でも居場所を見つけづらい。
そんな彼がアートを通じて自分を表現しようとする姿は、「アートとは何か?」という問いに対する強烈な答えでもあります。
◆ 原作との違い

- 原作(1〜6巻)では、八虎の心情がかなり内面描写で掘り下げられている。【ブルーピリオド(アフターコミックス)】
- 映画はビジュアルの力を最大限に活かしており、言葉ではなく“表情”や“構図”で感情を伝えてくる。
- 原作にあるいくつかのサブキャラやエピソードはカットされているが、テーマと軸はブレていない。
原作既読者にも「映像表現でしか伝わらない感動」がしっかり届きます。
◆ 伏線と回収:丁寧に仕込まれた感情のライン
- 最初に描いた「青い渋谷」は、八虎の“まだ見ぬ未来”の象徴
- ユカちゃんの「自分を肯定していい」というメッセージは、終盤に八虎の背中を押す
- 世田介との対決も、技術ではなく「本音のぶつかり合い」として決着
何気ない台詞や絵の構図が、後半で感情の伏線として活きてくる。再視聴したくなる仕掛けです。
◆ まとめ:まだ“青”のままでもいい、あなたもきっと何かを描ける

『ブルーピリオド』は、青春・進路・アイデンティティ・芸術…あらゆるテーマを一つの問いに集約させます。
「あなたは何を描いて生きていきますか?」
誰かの評価ではなく、自分の“好き”と向き合うことの価値。
それはアートに限らず、すべての人生に通じるテーマです。
可能性を狭めているのは自分自身なだけであって、それを広げるためにたくさん吸収して武器にしてそれを丁寧にアウトプットする。
そこに数学的な正解はないし、それを判断したり価値をつけるのは他人という一見納得がいかないものではありますが、そこに可能性を感じ果敢に挑んでいく学生達。
友情・努力・勝利というジャンプの要素が満載の青春ムービーです!

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