「荒木飛呂彦の世界を“再翻訳”した脚本家」
小林靖子なしに、今のジョジョアニメは語れない。
◆ 小林靖子とは?

- 日本の脚本家・シリーズ構成家
- 代表作:『仮面ライダー龍騎』『進撃の巨人(S1〜3前半)』『輪るピングドラム』など
- 特徴:原作愛と構成力を兼ね備えた“物語の職人”
**アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』**では、第1部〜第5部までのシリーズ構成・脚本を担当。それぞれの部で、原作を尊重しながらも、映像作品としての完成度を極限まで高める手腕を発揮しました。
◆ 各部ごとの脚本構成を徹底解剖!
【第1部】ファントムブラッド(2012)
![アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」第1部のキービジュアル (C)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会 - 「ジョジョ」第1話をまるごと収録!ウルジャンに豪華DVD [画像ギャラリー 3/3] - コミックナタリー](https://www.tsumuri.info/wp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
- クラシックな勧善懲悪を「王道の熱血ドラマ」として再構成。
- たった9話に感情の起伏を凝縮。序章でここまで泣かせるのか…という完成度。
「ジョジョってこんなに熱かったんだ!」という驚きは、この部から始まった。
数々の名セリフや斬新な効果音のあるジョジョの奇妙な冒険。
荒木先生が映画好き(特にホラー・サスペンスが好き)・音楽好きということでマンガにも映画のような効果音がほしいというところから様々な伝説効果音(文字)が生まれている。
ズキュウウウン
メメタア
【第2部】戦闘潮流(2012〜2013)

- ジョセフ・ジョースターの“口が達者な知略バトル”を生かす脚本テンポ。
- 「セリフで伏線→行動で逆転」など、頭脳戦が爽快に。
敵も味方も愛せる作劇は靖子さんならでは。
2部はボスキャラの中で最強と呼び声高いカーズ様ですね!最強生物になってしまった後は時を止めても倒せない気がするというコメントがありましたね。
クッパァ
【第3部】スターダストクルセイダース(2014〜2015)

- 原作ではやや冗長に感じられる部分を、アニメとして見やすく再構成。
- 旅のテンポとキャラのバランスを徹底管理。
ポルナレフ回・アヴドゥル復活・イギーとの別れ——泣ける名回が多数。
忘れてはならないのがこの第三部からスタンドが生まれましたね!
スタンド同士のバトルというムネアツ展開をアニメで見れるのも感動でした!
イギーのシーンは何度見てもやばいんや。
ドキューン
メギャン
【第4部】ダイヤモンドは砕けない(2016)

- 杜王町という“静かな町の恐怖”を巧みに演出。
- 群像劇の中で各キャラのドラマを丁寧に配置。
吉良吉影の不気味さを、セリフと間の取り方で演出。ゾクっとする怖さが秀逸。
荒木先生が一番好きと言っていた仗助のいる4部!
「第4部は初めて日常を描くことができたって思ったんですよね。それまでは神話を描いているような気分だったんです。承太郎はクールで、ある意味で完成されている。でも仗助はその辺(空いている椅子を指さす)にいるような感じ。すぐそばにいるキャラクターなんです」
https://news.yahoo.co.jp/feature/1055/
ボムギ!
ズキーン
【第5部】黄金の風(2018〜2019)

- 重厚な人間ドラマとバトルが融合する難しい構成を見事に整理。
- ジョルノとブチャラティの“運命の交差”が、アニメでさらに感動的に。
「ここが靖子脚本の頂点」と評されるほどの名作感。
この6部で特筆すべきは、今回のジョジョこと、【ジョルノ・ジョバーナ】はDioの息子なんですよね。
荒木先生が大事にしている、主人公も敵キャラにも各々の正義が必要という部分が余計にマッチしますね。
個人的には5部が一番好きで、「恥知らずのパープルヘイズ」も良かった。
フーゴの悔しさだったり、恐怖だったりって人間だったら絶対持ってるもの。
悪いわけじゃない彼がちゃんと前に進めたのか気になってたからこの作品で同行を感じられたのは嬉しかったです(涙)
そしてまさかの、4部に出てくるトニオ・トラサルディーも少し関係してくるという伏線の出し方も中々に良きでした!
まだ見てない人は是非!
◆ 靖子ジョジョ脚本の特徴3つ

時代劇や刑事ドラマに影響を受けて育った世代を自認し、特に時代劇は『遠山の金さん』『水戸黄門』『必殺仕事人』などを小学生の頃からよく見ていた。
いわゆる「月9」に代表される恋愛ドラマを書きたいとは思わなかったという。恋愛ドラマが「嫌いというわけではない」としつつも「恋愛一辺倒ではなく(中略)命のやり取りをしているという緊張感がありながら、恋愛など人間らしい感情や生活を持っている人物を描きたい」と話している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E9%9D%96%E5%AD%90
① 原作リスペクト+再構成の妙
→ 原作を“読み替える”のではなく、“解像度を上げる”形で脚本化。
② 台詞と間で描く感情線
→ アニメでの“声”と“沈黙”を意識した緊張と余韻の作り方が絶妙。
③ キャラクターの“意志”を強調
→ キャラがなぜその選択をするのかを丁寧に描くことで、視聴者の共感を呼ぶ。
◆ ファンの反応と評価
- 「原作の空気を損なわず、むしろ“補完”してくれている」
- 「伏線の入れ方、エピソードの順序などが神」
- 「ジョジョ初心者でも、アニメなら入りやすかったのは靖子さんのおかげ」
“ジョジョアニメは神作画だけじゃない”と気づかせてくれる裏方の職人。
◆ スピンオフにも続く“靖子節”
ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK)でも脚本を担当し、高橋一生演じる露伴を知的かつ人間味のあるキャラとして描写。2023年の劇場版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』にも脚本家として参加。
ジョジョ世界の“静”と“狂”のバランスを、実写でも見事に体現。
◆ まとめ:小林靖子がいたから、ジョジョは“語られるアニメ”になった

原作に忠実でありながら、ただのコピーに終わらせない。
靖子さんの脚本は、キャラクターの意志や葛藤を視聴者に伝える“物語翻訳”そのもの。
ジョジョのアニメが今も語られ、愛され続けている理由の一つは、間違いなくこの脚本家の存在にあるのです。
私はあまり「当て書き」ということは意識しないのですが、役者さんが演じやすいセリフを心掛けています。出来上がった映像を見て、「この役者さんはこういう表情をするんだな」と思ったら、その魅力を強調したりすることもあります。その結果として、視聴者の皆さんに「キャスティングがハマっているな」と思っていただけるのであれば、ありがたいですね。
https://www.scenario.co.jp/online/20018/
【映画】『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』—“最も黒い絵”をめぐる、知と恐怖のアートミステリー

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