こんにちは。つむりです。
ドラマ「半沢直樹」が再び始まり、日曜9時はテレビにかじりついている方が多いのではないでしょうか?
その「半沢直樹」と「原作」・「監督」・「脚本」が同じ作品があると言われれば自ずと興味が湧きませんか?
半沢直樹好きには間違いない作品です。
※本記事にはネタバレも含みますのでお気をつけください。
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目次
七つの会議
公開 | 2019年 |
原作 | 池井戸潤 |
監督 | 福澤克雄(半沢直樹シリーズ、私は貝になりたい) |
脚本 | 丑尾健太郎(半沢直樹(2020)、陽気なギャングが地球を回す) |
本編 | 119分 |
出演 | 野村萬斎 香川照之 及川光博 片岡愛之助 音尾琢真 藤森慎吾 朝倉あき 岡田浩暉 木下ほうか 土屋太鳳 小泉孝太郎 溝端淳平 春風亭昇太 立川談春 勝村政信 世良公則 鹿賀丈史 橋爪功 北大路欣也 |
あらすじ
パイプイスや、航空機・列車のイスなどに使われるネジを扱う中堅電機メーカーの東京建電。
鬼と恐れられる営業部長の北川(香川照之)が、指揮を取り定例会議が始まる。
営業部には一課と二課があり、原島(及川光博)率いる二課はいつもノルマ未達成で北川に怒鳴り散らされる一方、坂戸(片岡愛之助)率いる一課は常にノルマをクリアしていた。
ノルマをしっかりとクリアするための事業方針を発表している際に、いびきが聞こえ北川視線を向けた先には係長の八角(やすみ)(野村萬斎)がいた。
営業部一家のぐうたら社員の八角は、定例会でも眠るその態度から「居眠りハッカク」と陰口を叩かれていた。
北川の雷が落ちると誰もが思っていたが、定例会議はそこで終了し八角はその場でのお咎めは無かった。
しかし、足を引っ張られたと感じていた坂戸は、八角に対し大量の仕事を与えるようになる。
ある日有給休暇の申請を出そうした八角に、坂戸はとうとうしびれを切らし、罵声を浴びせる。
八角はそれに対し、パワハラで訴えると言い始めるが、坂戸はおろか周りの社員達も、結果を出し上からも気に入られている人間がそんな理由で罰せられるはずはないと笑い飛ばしていた。
しかし、パワハラが認められ坂戸は人事部に移動することになる。
そして、一課の課長には二課の原島が就任することになるが…。
登場人物
八角民夫-野村萬斎
入社後、優秀な成績を収め一気に係長に昇進するがその後なぜか成績を落とし、万年係長となっている。
あまりのぐうたらぶりや、会議中でも寝ていることから「居眠りハッカク」と呼ばれている。
営業部長の北川とは同期入社。
北川誠(営業部長)-香川照之
営業一課と二課を束ねる部長で鬼と揶揄されるほどの体育会系で結果がすべてだと考えている。
あることを理由に八角にはきつい対応をしていない。
坂戸宣彦(営業一課長 → 人事部付け)-片岡愛之助
営業一課長として優秀な成績を収めているエースだったが、八角のパワハラの訴えで、人事部に異動させられる。
誰もが驚いた異動の裏には、その優秀な成績が関係していた。
原島万二(営業部二課長 → 営業部一課長)-及川光博
営業部一課に比べて、ノルマをいつもクリアできない二課の課長として、北川にいつも叱責されていたが、一課長の坂戸の異動により、なぜか一課長に就任。
ぐうたら社員「居眠りハッカク」を守り、信頼している坂戸を見捨てた理由が気になり、部下の浜本と調べ始める。
新田雄介(経理課課長代理)-藤森慎吾
プライドが高い経理課の課長代理。
営業部と仲が悪く、営業部の粗探しに執着していく。
浜本優衣(営業一課員)-朝倉あき
営業一課で伝票の処理などを担当する。
寿退社をひかえ、自分にも何か残せないかと、ドーナツの社内販売を提案し試験販売を開始する。
会社の不正の可能性を感じ、原島と共に調べ始める。
佐野健一郎(カスタマー室長)-岡田浩暉
もともと営業一課に所属していたが、北川部長に嫌われクレーム処理回される。
とあるクレームのリストを作成し、それをネタに営業一課に返り咲くつもりだった。
宮野和広(社長)-橋爪功
東京建電の社長。製造部からの叩き上げで上り詰めた。
コストの削減を第一に考えている。
梨田元就(常務取締役)-鹿賀丈史
東京建電の親会社「ゼノックス」の常務取締役。
過去に東京建電に在籍しており、当時は、八角と北川の上司だった。
徳山郁夫(社長)-北大路欣也
ゼノックス社長。
御前様と呼ばれている。
また、社長が参加する会議は、役員と子会社の上層部のみのトップクラスだけの会談となる。通称、御前会議。
三沢逸郎(ねじ六社長)-音尾琢真
町工場ねじ六の社長。
当初東京建電からの発注を受け、特注ネジの製造を行っていたが、坂戸から金額を締め付けられ、あげく契約を打ち切られた。
江木恒彦(トーメイテック社長) -立川談春
東京建電の下請けを行うト―メイテックの社長。
坂戸からねじ六の後釜としてネジの発注を受けるようになる。
七つの意味
「七つの会議」を見た後に、何が七つなのか考えた人はたくさんいるでしょう。
七つの会議
本作中に行われた会議の数が七つ!
- 物語序盤に行われていた「営業成績報告会議」
- 坂戸のパワハラについて審議「パワハラ委員会の会議」
- ドーナツ無人販売の可否を決定する「職場環境改善会議」
- 原島が一課課長になった後の「営業成績報告会議」
- 新田がネジ転注に疑惑を抱いた「計数会議」→原作のみ
- 経理部が営業一課の不審な転注を報告した「役員会議」
- 御前様が参加するトップ会談「御前会議」
この七つの会議の一つ一つが巧妙に繋がっており、物語の中で正義と悪が徐々に明らかになっていく。
他にも気になる部分があるので見ていきましょう。
七つの名前
次に気になったのが、劇中に意味深に名前の表示が出る人がいました。それが、
- 八角民夫
- 坂戸宣彦
- 原島万二
- 新田雄介
- 浜本優衣
- 佐野健一郎
- 三沢逸郎
この7名でした。
この7名が起こす問題定義がタイトルに関係している!?
八角民夫
居眠りハッカクという会社のお荷物に見えながら、裏では会社の隠ぺいを発見し、会社にリコールを求める。
一人ではここまで大それたこと思いつかないはずだと考え、原因を追究するうちに、親会社のゼノックス社長にまで、リコール発表を願い出る。
しかし、誰もリコール発表を受け入れなかった為、リークに踏み切った。
坂戸宣彦
過去に成績不振を北川に責められ、コストダウンの為不正と知りながらトーメイテックとの契約を結んでしまう。
強度不足の問題を一人に背負わされそうになり、御前会議にて八角の証言に付き合うことになる。
原島万二
成績優秀な坂戸を異動させてまで、居眠りハッカクを守った部長に不審を抱き、調べを進めるうちにネジの強度不足に辿り着く。
知らない方がいいとハッカクに言われながらも、共にト―メイテックにまで行き真相を確かめる。
新田雄介
敵対している営業部の粗探しをしているうちに、取引先がト―メイテックからねじ六に変わり、月に90万ものコスト高を見つけ指摘した。
が、北川をはじめ社長までもがその指摘を問題無いとし、反対にドーナツ泥棒・社内不倫をリークされ東北に飛ばされる。
浜本優衣
寿退社で会社を辞める前に、自分でも出来ることをと考え始めたドーナツの社内販売。しかし、ドーナツ泥棒の出現や結婚の予定が無い事が明らかになる。
その不幸の原因は新田だった。
佐野健一郎
クレーム処理係に回された佐野は、クレームで多かった、イスに関するリストを作成し不具合を確かめようと考える。
それを武器にして北川、八角を失墜させようと考えたが、八角に先手を打たれ小倉に飛ばされる。
三沢逸郎
東京建電との取引を一方的に打ち切られたが、八角が再度訪れ、坂戸が異動になったことを理由に取引の再開を持ち掛けるが、三沢は最初疑心暗鬼だった。
駄目な経営者と危険な社風「7つの兆候」
ビジネスシーンにおける危険な兆候についてですが、これもまさかの七つでした。
状況が類似するケースもあり、ここから発展させている可能性もありえる!?
1. 経営者が景気の話をする
「景気が悪くて」と嘆く経営者はよくいるが、景気のせいにしても仕方がない。
2. 自分の会社よりも他社の事柄に口を出す
「優れた経営者」の知識は知っているが、それが自らの実践として実際には伴っていない。
3. 経営者が自分よりも優れた能力を持った人間を雇わない
人数がいるのに役に立たない人材が多く、生産性が非常に低い。それでは会社は加速はできない。
4. 管理職が多く実行部隊が少ない会社
若い実行部隊は非常に少なく、結果的に尻窄みである。
5. お茶を出す部下がいる
お茶を出すのは、何故か若い女性で、男性は皆無だ。某百貨店もそうだった。その瞬間に「古いな」と思う。その考え方が社風としてNGだ。
6. 部下が会議で何も言わない会社
そういう部下は黙ったまま、会社が沈没するその瞬間を待っているのだろう、きっと。
7. うちの会社は馬鹿ばっかりだからという経営者
こういう経営者は、どうして会社をつくったのだろうかと思う。
興味ある方は、引用元の記事をご覧ください。
#七会用語
Twitterのハッシュタグで七会用語を検索すると、本作に登場するお仕事用語の説明が出てきます。
その七会用語がもしかして…!?
というわけで調べてみました。
- ノルマ…課せられた仕事量のこと。
- パワハラ…地位や権力を利用して同じ職場で働く者に精神的・肉体的苦痛を与え、職場環境を悪化させる行為。
- 利益率…資本額や売上高に対する、利益の比率のこと。
- 転注…コストや商品価値から、これまで行われてきた発注や取引先自体を見直しして、新たな業者と取引を行うこと。
- 営業会議…営業部内の業績報告の会議。定例会議とも呼ばれてました。
- 成果主義…一般的には、年齢を問わず、仕事の成果で報酬や昇進を決定すること。また過程や方法は問わず、成果のみを求めることを指し、東京建電の営業部方針でもある。
- パワハラ委員会…パワーハラスメントを審議する社内組織。
- 御前会議…ゼノックス(東京建電の親会社)で開かれている定例会議。
…8つある。笑
これは違うか。笑
ですが、この七会用語は作中での問題にしっかりとリンクしているので、この言葉を拾った後に映画を見るとそれだけでも深く楽しめそうです。
七つの会議見どころ
ストーリー
2時間があっという間に終わります。
登場人物が多いので、一見分かりづらいかもしれませんが、根幹にある悪とそれに立ち向かう正義が途中からはっきりします。
またいくつか出てくる複線も分かりやすく回収してくれる為、分かりやすい展開で悪いやつを追い詰めていく爽快感も味わえます。
出演者の顔ぶれ
- 狂言
- 歌舞伎
- 落語家
- 芸人
- 演劇
- ミュージシャン
- 時代劇
と、ざっとならべてもこれほどの肩書きをもつ人達が出演しています。
また、今回は「原作」・「監督」・「脚本」が半沢直樹チームということもあり、ことさらに顔で語るシーンが見られます。
表情で相手を噛み殺すような勢いがあったり、恐怖に震える表情があったりと、濃厚な演出もお楽しみください。
ちょい役ですけど!?
本作でワンポイントと言っていいほどのちょい役で主役級の役者さんが登場します。
お見逃しなく!
零細ねじ工場三沢社長の妹、奈々子役で土屋太鳳。
八角の元妻役で吉田羊。
八角がユニットバスを打った顧客の息子役で溝端淳平。
商品開発部でネジの強度測定を手伝ってくれる社員で小泉孝太郎。
そして、公開前までシークレットだったのは、本作最後のシーンで八角の監査委員の聞き取り役で役所広司が出演しています。
ここの人だけで映画撮れますね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
半沢直樹好きには間違いない作品だと思いますし、ストーリーやキャストで考えても見て損はない作品だと思います。
異動になった坂戸のお兄さんが「東京中央銀行」に勤めているというファンを喜ばせる憎い演出なんかもあったり。
サラリーマンが見ると心のどこかに引っかかる作品にもなるんじゃないかな。
是非ご覧になってください。
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